大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和27年(あ)511号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

「しかし原審の確定した判示第一乃至第三の事実は挙示の証拠に照すと、被告人は政府の免許なく、燒酎を造る目的で、まず昭和二六年二月一日頃被告人居宅で醪一石一斗一升を造り同月一五日頃前記居宅裏手小屋において二回に亘り右醪のうち八斗二升を蒸溜して燒酎計五斗八升を製造したが、残りの醪を蒸溜する前に同月一七日頃発覚したという事実であつて、まさに包括して一個の旧酒税法六〇条一項の罪と認めるべきものである。蓋し被告人の判示所為は政府の免許を受けないで、燒酎製造の単一の意思をもつて、その過程として判示醪を造りその一部を同一日時場所において継続して二回に亘り蒸溜し燒酎の密造を遂げたが残部は蒸溜する前に発覚したというのであるから、その各個の蒸溜行為及び残存醪の未蒸溜の状態をそれぞれ独立した処罰の対象となる所為と認めるべきではないのである。

しかるに原審は右二回に亘る燒酎密造の所為及び燒酎密造前に発覚した事実を捉えて各個独立の燒酎密造の既遂及び燒酎密造未遂の罪が成立し併合罪の関係にあるものとして法令の適用をしたのであつて、右判断は法令の適用を誤つた違法があるものというべく右違法は原判決に影響を及ぼすべきこと明らかであり原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められる。それ故論旨はこの点において理由があり原判決は破棄を免れない。」

〔説明〕酒税法違反の罪と罪数との関係については従来の高裁判例においては見解が区々に分れていたようである。検察官の起訴においては、醪の製造や燒酎の製造を各個別々に取り上げてこれを各一罪とする傾向が強かつたため、この見解に従う判例もあつたようである。本判旨は製造者の意思を中心として罪数を定めようとする立場を採るもののようにも受けとられるが、必ずしもそれのみに着眼したものではなく燒酎製造過程の単一性をも顧慮した点を見逃がしてはならないであろう。

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